接木をして品種更新

 接木は、今ある果樹の樹を切ること無く、欲しい果実の品種に更新できる、素晴らしい技術です。

 梨の接木をした様子です。

 果樹は、永年作物であり、樹は何十年と生き続けるので、年数が経つにしたがって、植えた品種とは別の品種が求められる場合があります。そこで、樹を生かしたまま、品種だけを別の物に代える技術が接木です。  樹を植え替えると、十数年くらいは美味しい物を収穫する事ができませんが、接木した場合は、早ければ、3年程で収穫する事ができるので、品種を更新する時には、接木の方法が使われることが多いです。

 接木をする前に、接木した箇所が乾かないようにするための蝋と、接木する枝を縛り付けるテープを用意します。

 接木をする枝(穂木)は、1月寒い間に切り取り、冷蔵庫で保管しておき、接木をする直前に、くさび状に切り取ります。

 穂木をくさび状に切り取った後は、手早く接木する箇所に割り込みを入れ、穂木を差込みます。その後、テープで固定し蝋を塗り完成です。

 

 下は、接木する直前の枝。

 上は、接木して1年後の枝です。

 白いテープより右側は、左側とは別の品種です。下の切り取った穂木の右端に見える小さな芽が、1年経つと上の太い枝になります。

 接木を考えた先人の知恵には、脱帽ですね。

 テープを剥がすと、接木した左側の部分は、1年の間に肉が盛り上がりがっしりと結合しています。

 この写真は、20世紀梨の枝に幸水を接木しています。

 梨の品種  

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