種の力で育つリンゴ
リンゴは、育てたい品種とは違う品種の花粉が、受粉することで実が大きくなり、秋の収穫を向かえることができます。そこで、花の咲いた時期に、人間または蜂によって、受粉をさせることが必要です。
受粉作業の様子
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おいしいリンゴには、輪切りにすると種がたくさん入っています。このリンゴは、人間がいろいろと世話をして育ったのではなく、リンゴの中にできた種が大きくなり、成熟する過程の中で、共に育ってきた証です。そのため、リンゴの味を良くするには、できるだけたくさんの種を中に作ることが必要となります。 詳しくは、リンゴの種についてをご覧下さい。 受粉は、人間が行なう方法と蜂に任せる方法がありますが、我が家では、リンゴ園の8割を人間の手によって受粉させています。蜂は、天候の悪い時には活動せず、受粉の精度が安定しないので、人手によって確実に受粉させる事が必要となります。近年は、異常気象の影響で、特に春先の気候が安定しないので、受粉作業の重要性が増しています。ただ、受粉作業には、多くの労力が必要となるので、リンゴ農家の中でも実施している人は少ないと思われます。我が家では、その労力を惜しまずに、おいしいリンゴを作るためにできる限り受粉作業を続けていきます。 受粉作業は、受粉用の花粉を集める仕事(受粉までの準備)から始まり、上の写真のような受粉の機械を使って一つ一つの花に花粉をつけます。 |
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受粉の機械の先端部分です。管の先に取付けた柔らかい羽毛で受粉させます。羽毛の真ん中辺りの赤くなっているものが花粉です。 |
受粉後の花です。薄紅色の粉が付いているのが受粉作業をおこなった目印になります。 |
天気が良い日が続く場合は、蜂が活発に動いて人間以上の仕事をします。しかし、残しておきたい花(中心の花)に受粉できる保証は無いので、あくまでも保険として働いてもらっています。 |